■と き:2026年 3月 12日 18:45~
■会 場:しまなみ交流館 大会議室
■報告者:(有)広島金具製作所 代表取締役 水ノ上 貴史 氏(県求人社員共育委員長/前福山支部長)
今回の尾道支部3月例会は、福山支部より有限会社広島金具製作所の水ノ上 貴史さんを報告者にお迎えし、「ブルーオーシャンへ向かう大航海」というテーマで開催されました。司会を務められた株式会社村上製作所の村上さんの、非常に安定したスムーズな進行のもと、最初から最後まで心地よい熱気と学びに満ちた時間となりました。
報告者の水ノ上さんは、ご自身の激動の経営人生を、時折ユーモアを交えながら非常にパワフルに語ってくださいました。社員の方から「スーパー前向き」と言われるのも納得の明るさで、過去の多額の借金や倒産の危機、さらには社員からの訴訟といった普通なら心が折れてしまうような波乱万丈なエピソードをあっけらかんとお話しされる姿に、会場全体がぐいぐいと引き込まれていきました。
個人的に一番驚き、印象に残ったのは、どん底の状態から同友会と出会い、とにかく先輩から言われたことを「Do(行動)」から始めたという凄まじいバイタリティです。当時の銀行担当者に鼻で笑われたという赤裸々な経験から一念発起し、下請け体質を脱却するためにオリジナル製品を開発。最初は地元で全く売れなかったにもかかわらず、自らの足で全国の職人さんへ直接ヒアリングに行き、熱狂的なファンを作ってブルーオーシャンを切り拓いていくプロセスはまさに圧巻の一言でした。
また、今回の例会を通じて「人と人との繋がり」の力を強く感じました。例会の締めくくりとなる閉会挨拶で、経営労働委員長の高重さんが水ノ上さんへの心からのリスペクトを語られていたのがとても印象的でした。その言葉を聞き、水ノ上さんをきっかけにして同友会の中にどんどん新しい交友関係や繋がりが生まれているという事実を肌で実感しました。経営者は孤独だと言われますが、こうして切磋琢磨し合える仲間の存在がいかに大きいかを改めて教えられた気がします。
報告後のグループ討論でも、皆さんの熱量が高く、「自分たちには圧倒的に前向きな行動力が足りない」「経営指針を作る前に、まずは経営者としての確固たる志と本気の行動が必要だ」といった、非常に率直で建設的な意見が飛び交っていました。水ノ上さんの行動力が、間違いなく参加者全員の心に火をつけていたと思います。
最後に、水ノ上さんのお話を伺いながら、私自身のこれまでの歩みとも深く重なる部分があり、とても共感しました。私自身もコロナ禍を経験し、企業の広告宣伝費が縮小して既存事業の受注が落ち込む中で、「何か新しいことをしなければ」という強い危機感から、尾道を中心とした備後圏域のローカルメディア「なじみマガジン ONOMICHI」を立ち上げました。今年の7月で6年目を迎えますが、このメディアをきっかけにさまざまな企業様との繋がりが生まれ、徐々にではありますが地域から頼られる存在へと成長しつつあります。
ゼロから行動を起こし、価値を創造していく苦労と喜びを現在進行形で経験しているからこそ、水ノ上さんの「ピンチを転機に変え、自ら道を切り拓く行動力」が深く胸に刺さりました。明日からの実践に向け、非常に実りの多い素晴らしい例会でした。
記:プーカ株式会社 岡本 茂久